「うっかりiPhoneをお風呂に落としてしまった!」
「突然の雨でiPhoneがびしょ濡れに…」
「テーブルの上のジュースをこぼしてiPhoneにかかってしまった!」
日常生活の中で、iPhoneが水に濡れてしまうアクシデントは誰にでも起こり得ます。そんな時、真っ先に頭をよぎるのは「大丈夫かな?」「壊れていないかな?」「保証は使えるのかな?」といった不安ではないでしょうか。
iPhoneは精密な電子機器であり、水濡れは故障の大きな原因となります。幸い、近年のiPhoneは耐水性能が向上していますが、それでも完全防水ではありません。そして、水濡れによる故障は、多くの場合Appleの標準保証の対象外となってしまいます。
そこで重要になるのが、iPhoneに搭載されている「液体浸入インジケータ(LCI)」、通称「水没マーク」の存在です。これは、iPhoneが液体に接触したかどうかを視覚的に判断するための小さな印です。
この記事では、iPhoneの水没マーク(LCI)について、以下の点を徹底的に解説します。
- そもそもLCIとは何か?どんな仕組み?
- あなたのiPhoneのLCIはどこにある?(全モデル別 場所リスト)
- LCIを正しく確認する方法と注意点
- LCIが赤色(ピンク色)に変色していたらどういう意味?
- 保証(AppleCare+含む)への影響は?
- 水没・水濡れ時の正しい応急処置とNG行動
- 修理が必要な場合の選択肢(正規・非正規)
この記事を読めば、あなたがお使いのiPhoneの水没マーク(LCI)の場所と確認方法がわかり、万が一水に濡らしてしまった場合にも、落ち着いて適切な対処ができるようになります。中古iPhoneの購入を検討している方にとっても、トラブルを避けるために必見の情報です。さあ、一緒にiPhoneの水没マークについて詳しく見ていきましょう。

iPhoneの水没マーク(液体浸入インジケータ LCI)とは?基本的な仕組み
iPhoneが水に濡れたかもしれない…そんな時、真っ先に確認したいのが「水没マーク」、正式名称は「液体浸入インジケータ(LCI)」です。この小さな印は、あなたのiPhoneが液体によるダメージを受けた可能性があるかを知るための重要な手がかりとなります。しかし、そもそもLCIとは一体何で、どのように機能し、なぜiPhoneに搭載されているのでしょうか? このセクションでは、LCIの基本的な役割から、Appleがこれを重要視する理由、そして正常時と反応時の色の違いまで、LCIに関する基礎知識をわかりやすく解説します。LCIの仕組みを理解することで、万が一の時にも冷静に対応できるようになりましょう。
LCIの役割:水没を検知する仕組み
iPhoneに搭載されている「液体浸入インジケータ(LCI)」、通称「水没マーク」は、その名の通り、デバイス内部への液体の侵入を検知するための重要な指標です。これは特殊な素材でできており、通常は白色または銀色をしています。しかし、水やその他の液体(特に水を含む液体)が直接触れると、化学反応を起こして赤色またはピンク色に変色する仕組みになっています。この変色は不可逆的で、一度変色すると元の色には戻りません。
LCIの主な役割は、iPhoneが液体によるダメージを受けた可能性があるかどうかを、ユーザー自身や修理技術者が視覚的に判断できるようにすることです。例えば、iPhoneの調子が悪くなった際に、その原因が落下などの物理的な衝撃なのか、それとも目に見えない内部への液体侵入なのかを切り分けるための一つの手がかりとなります。ただし、LCIが反応していないからといって、必ずしも液体によるダメージがないとは断言できません。侵入した液体の量が少なかったり、LCIが設置されていない箇所からの侵入だったりする可能性もあるため、あくまで判断材料の一つとして捉えることが重要です。また、湿度の高い環境に長時間置かれただけで反応することは基本的にありませんが、極端な条件下では可能性もゼロではありません。
なぜLCIが搭載されているのか?(保証との関連性)
AppleがiPhoneにLCIを搭載している主な理由は、液体による損傷(水濡れや水没)がAppleの標準保証(Apple 製品限定保証)や延長保証プログラムであるAppleCare+の保証対象外となるケースが多いからです。電子機器にとって液体は大敵であり、内部の精密な回路に液体が接触すると、腐食やショートを引き起こし、深刻な故障につながる可能性があります。
修理現場では、持ち込まれたiPhoneの故障原因を特定する必要があります。外見上は問題がなくても、内部で液体によるダメージが発生しているケースは少なくありません。LCIは、技術者が分解せずに、あるいは分解の初期段階で、液体侵入の可能性を迅速に判断するための客観的な証拠となります。LCIが赤色に変色している場合、それは液体接触があった明確な証拠とみなされ、保証期間内であっても保証修理の対象外(有償修理)となる可能性が高くなります。逆に、LCIが反応していない場合は、他の原因による故障である可能性が高まり、保証条件を満たしていれば無償修理の対象となることがあります。このように、LCIは保証適用の判断を公平かつ効率的に行うために、重要な役割を担っているのです。
LCIの色の変化:正常時(白/銀)と反応時(赤/ピンク)
LCIの状態を正しく理解するためには、色の変化が何を意味するのかを知っておくことが不可欠です。iPhoneのLCIは、液体に接触していない「正常な状態」では、白色または銀色に見えます。これは、iPhoneが工場から出荷された時点での標準的な色です。モデルによっては小さな白い点や銀色のシールのように見えるでしょう。
一方、LCIが水やその他の液体に直接接触すると、化学反応により赤色またはピンク色に変色します。この色の変化が見られた場合、そのiPhoneは過去に何らかの形で液体に接触した可能性が非常に高いことを示しています。「水没マークが反応した」というのは、この赤色(またはピンク色)に変色した状態を指します。色の濃さには差があるかもしれませんが、少しでも赤みがかっていれば、それは液体接触があった証拠と判断されるのが一般的です。
LCIを確認する際は、なるべく明るい場所で、必要であればライト(スマートフォンのフラッシュライトなどでも可)を使って、LCIの色を注意深く観察してください。影になっていたり、角度によっては見えにくいこともあるため、様々な角度から確認することが推奨されます。正常な白色/銀色なのか、それとも赤色/ピンク色に変色しているのかを正確に見極めることが重要です。
【重要】確認前に!LCIの場所はモデルで違う&チェック時の注意点
「水没マークを確認したいけど、どこを見ればいいの?」「何か特別な道具は必要?」LCIの存在を知ったら、次に気になるのは具体的な確認方法ですよね。しかし、焦って確認を始める前に、いくつか知っておくべき重要なポイントがあります。実は、LCIの場所はiPhoneのモデルによって異なり、確認作業にもちょっとしたコツと注意が必要です。このセクションでは、まずご自身のiPhoneモデルを正確に特定する方法、LCIチェックをスムーズに行うために用意すると便利なもの、そして確認時に誤解しやすい点や注意すべきことについて詳しく解説します。正しい知識を持って、確実なLCIチェックを行いましょう。
まずは自分のiPhoneモデルを確認する方法
LCI(液体浸入インジケケータ)の場所はiPhoneのモデルによって異なるため、確認作業を始める前に、まずご自身のiPhoneの正確なモデル名を把握することが不可欠です。モデル名を勘違いしていると、間違った場所を探してしまい、「LCIが見つからない」「LCIが反応していない」と誤った判断をしてしまう可能性があります。
iPhoneのモデル名を確認する最も確実な方法は、「設定」アプリを使用することです。
1. ホーム画面から「設定」アプリを開きます。
2. 「一般」をタップします。
3. 一番上にある「情報」をタップします。
4. 「モデル名」という項目に、お使いのiPhoneの正式なモデル名(例: iPhone 15 Pro, iPhone SE (第3世代)など)が表示されています。
もし画面操作ができない状態の場合は、iPhone本体の背面や、購入時の箱、Apple公式サイトのモデル特定ページなどで確認することも可能です。特にSIMトレイの形状や背面のカメラの数、素材感などもモデルを特定するヒントになります。正確なモデル名を特定してから、次のステップであるLCIの場所確認に進むようにしましょう。これにより、無駄な時間を省き、正確な情報を得ることができます。
LCIチェックに必要なもの(ライトなど)
iPhoneのLCIを確認するためには、特別な専門道具は必要ありませんが、より正確にチェックするためにいくつか準備しておくと便利なものがあります。
まず最も重要なのが光源(ライト)です。LCIは非常に小さく、iPhone内部の奥まった位置にあることが多いため、スマートフォンのフラッシュライトや小型のLEDライト、ペンライトなどがあると非常に役立ちます。明るい光を当てることで、LCIの色(白/銀か赤/ピンクか)をはっきりと視認しやすくなります。特にSIMカードスロット内部など、狭くて暗い場所を確認する際には必須と言えるでしょう。
次に、SIMトレイ内部にLCIがあるモデル(iPhone Xシリーズ以降の多く)を確認する場合は、SIM取り出しツール(SIMピン)が必要です。これはiPhone購入時に箱に同梱されていますが、もし紛失してしまった場合は、代用品としてペーパークリップの先を伸ばしたものや、安全ピンの先などでも(慎重に使えば)代用可能です。ただし、内部を傷つけないよう十分注意してください。
あとは、自身の目でしっかりと観察することです。必要であれば拡大鏡(ルーペ)があると、より細部まで確認しやすくなります。これらの簡単な準備で、LCIのチェックをスムーズかつ正確に行うことができます。
LCI確認時の注意点:誤解しやすいポイント
LCIを確認する際には、いくつか注意すべき点と、誤解しやすいポイントがあります。これらを理解しておかないと、誤った判断をしてしまう可能性があります。
まず、LCIは非常に小さいということを念頭に置いてください。米粒よりも小さいドットや細い線状であることが多く、注意深く見ないと見逃してしまうことがあります。特に初めて確認する場合は、どこにあるのか分かりにくいかもしれません。事前にインターネット等で、自分のモデルのLCIが具体的にどの位置にあるかの画像を確認しておくと良いでしょう。
次に、影や汚れとの見間違いです。暗い場所で確認したり、ライトの当て方が悪かったりすると、単なる影や内部の部品、付着したホコリなどをLCIと見間違えることがあります。また、LCI自体が少し汚れていて色が分かりにくい場合もあります。様々な角度からライトを当てて、色をしっかり確認することが重要です。
「赤(ピンク)=即、完全水没」ではない点も重要です。LCIはあくまで液体接触の「可能性」を示すものです。少量の水滴がかかっただけでも反応することがあります。LCIが赤くても、iPhoneが正常に動作しているケースも少なくありません。ただし、一度赤くなったLCIは元に戻らないため、将来的な故障リスクや保証への影響は考慮する必要があります。
最後に、自分で分解しないことです。LCIの確認は、SIMトレイの取り出しやポートを覗き込むなど、ユーザーがアクセス可能な範囲で行うべきです。内部を確認しようとしてiPhoneを分解すると、Appleの保証が無効になるだけでなく、さらなる故障を引き起こすリスクがあります。
iPhoneモデル別 LCIの場所と確認方法【全機種リスト】
さて、LCIの基本と確認前の注意点を理解したところで、いよいよ本題です。あなたのiPhoneのLCIは、一体どこにあるのでしょうか?歴代のiPhoneを振り返ると、LCIの設置場所は一つではありません。比較的新しいモデルではSIMトレイの内部、少し前のモデルではヘッドフォンジャックや充電ポートの内部など、モデルによって確認すべき場所が異なります。このセクションでは、歴代の主要なiPhoneモデル別に、LCIがどこに設置されているのか、そして具体的にどのように確認すればよいのかを、可能な限り網羅的にリストアップして解説します。お使いのiPhoneモデルを見つけて、正確なLCIの位置と確認手順を把握しましょう。
SIMトレイ内部にあるモデル(iPhone Xシリーズ以降など)
比較的新しいiPhoneモデル、具体的にはiPhone Xシリーズ以降の多くのモデルでは、LCIはSIMカードトレイ(SIMスロット)の内部に設置されています。代表的なモデルとしては、iPhone 15シリーズ、iPhone 14シリーズ、iPhone 13シリーズ、iPhone 12シリーズ、iPhone 11シリーズ、iPhone XS/XS Max、iPhone XR、iPhone Xなどが該当します。(※一部例外や、年式により異なる可能性もあるため、ご自身のモデルで最終確認が必要です)
確認手順は以下の通りです。
1. 安全のため、iPhoneの電源をオフにします。
2. iPhone購入時に付属していたSIM取り出しツール(またはペーパークリップの先など)を、本体側面にあるSIMトレイの小さな穴に差し込み、軽く押し込んでトレイを引き出します。
3. SIMトレイを取り外した本体側のスロット内部を、ライトを使って覗き込みます。
4. スロットの側面や奥に、小さな点または線状のLCIが見えるはずです。
5. その色が白色または銀色であれば正常、赤色またはピンク色であれば液体接触の可能性を示します。
ライトを当てる角度を変えながら、色を正確に確認してください。確認が終わったら、SIMトレイを元の向きで静かに挿入します。
ヘッドフォンジャック内部にあるモデル(iPhone 6s以前など)
iPhone 6sおよびそれ以前の一部のモデル(iPhone 6s, 6s Plus, SE (第1世代), 6, 6 Plus, 5s, 5c, 5, 4s, 4, 3GS, 3Gなど)では、LCIが3.5mmヘッドフォンジャックの内部に設置されていることがあります。これらのモデルをお使いの場合は、本体下部(または上部、モデルによる)にある丸いイヤホン差込口を確認する必要があります。
確認手順は以下の通りです。
1. 明るい場所で、ライトを用意します。
2. iPhoneのヘッドフォンジャック(イヤホンを差し込む丸い穴)の内部を、ライトで照らしながら覗き込みます。
3. ジャックの奥や側面に、小さな円形または長方形のLCIが見える場合があります。
4. 色が白色または銀色であれば正常、赤色またはピンク色であれば液体接触の可能性があります。
ヘッドフォンジャック内部は狭く見えにくいため、角度を変えたり、場合によってはルーペを使ったりすると確認しやすくなります。ホコリが溜まっていることもあるので、見間違いに注意しましょう。
Dockコネクタ/Lightningポート内部にあるモデル(一部旧モデル)
ヘッドフォンジャックに加えて、またはヘッドフォンジャックの代わりに、Dockコネクタ(古いモデル)またはLightningポート(iPhone 5以降)の内部にLCIが設置されているモデルも存在します。特にiPhone 4シリーズ以前や、初期のiPhoneモデルではこの位置にあることがありました。また、ヘッドフォンジャックとDock/Lightningポートの両方にLCIが搭載されているモデルもあります。
確認手順は以下の通りです。
1. 明るい場所で、ライトを用意します。
2. iPhone本体下部にある充電・同期用のポート(長方形のDockコネクタまたは小さいLightningポート)の内部を、ライトで照らしながら慎重に覗き込みます。
3. ポートの奥や側面、中央の接点部分の近くなどに、小さなLCIが見える場合があります。
4. 色が白色または銀色であれば正常、赤色またはピンク色であれば液体接触の可能性があります。
ポート内部も非常に見えにくく、端子などと見分けがつきにくい場合があります。ライトを使い、様々な角度から注意深く観察してください。こちらもホコリ等で見えにくいことがあるため注意が必要です。
【写真・図解】各モデルのLCI確認手順のポイント
(※実際のブログ記事では、ここに各モデルタイプ(SIMトレイ内、ヘッドフォンジャック内、ポート内)のLCIの位置を示す写真や図解を挿入すると、読者の理解度が格段に向上します。以下はテキストでの説明ポイントです。)
LCIの位置をより具体的にイメージできるよう、各確認箇所のポイントを解説します。
- SIMトレイ内部の場合: トレイを引き抜いた後、本体側のスロットの「側面中央あたり」や「奥の方」を重点的に確認します。非常に小さい白い(または赤い)点として見えることが多いです。
- ヘッドフォンジャック内部の場合: ライトで照らしながら、ジャックの「一番奥の底面」や「側面の壁部分」を確認します。円形の底面に小さな白い(または赤い)シール状のものが見えることがあります。
- Dock/Lightningポート内部の場合: ポートを正面から見て、「奥の基板部分」や「左右の壁際」、「中央の接続端子の間」などを確認します。細長い形状や四角い形状のLCIが見えることがあります。
可能であれば、Appleの公式サポートページや信頼できる修理業者のサイトなどで、ご自身のモデルのLCI位置を示した画像や図を事前に参照することをお勧めします。「iPhone [モデル名] LCI 場所」といったキーワードで画像検索するのも有効です。視覚的な情報を加えることで、より確実にLCIを見つけることができるでしょう。
LCIが赤色(ピンク色)に変化していたら?知っておくべきこと
ライトを当てて慎重に確認した結果、もしあなたのiPhoneのLCIが赤色(またはピンク色)に変色していたら…?少しショックを受けるかもしれませんが、慌てる必要はありません。LCIが反応しているということは、具体的に何を意味するのでしょうか?そして、それがAppleの保証や、もし中古でiPhoneを購入した場合などに、どのような影響を与えるのでしょうか?このセクションでは、LCIが反応した場合のその意味合い、Appleの製品限定保証やAppleCare+との関連性、そして中古iPhoneの取引においてLCIチェックがいかに重要かについて、詳しく解説していきます。赤色のサインが示す意味を正しく理解しましょう。
LCI反応は「水没の可能性」を示すサイン
iPhoneのLCI(液体浸入インジケータ)が赤色またはピンク色に変色しているのを発見した場合、それは「あなたのiPhoneが過去に液体と接触した可能性が高い」という明確なサインです。これは、水の中に落としたといった明らかな水没だけでなく、雨に濡れた、飲み物をこぼした、湿度の高い場所(お風呂場など)で長時間使用した、といった状況でも反応する可能性があります。
重要なのは、LCIの反応が必ずしも「iPhoneが完全に壊れている」ことを意味するわけではない、という点です。液体接触の程度や侵入箇所によっては、LCIが赤くてもiPhoneが問題なく動作し続けるケースも多くあります。しかし、一度液体が内部に侵入すると、時間が経ってから腐食が進み、後になって予期せぬ不具合(画面の表示不良、充電ができない、電源が入らないなど)が発生するリスクが高まります。
したがって、LCIが反応しているということは、現時点で問題なく使えていたとしても、潜在的な故障リスクを抱えている状態であると認識する必要があります。特に思い当たる水濡れがない場合でも、LCIが赤ければ何らかの形で液体接触があった証拠となります。このサインを見逃さず、今後の対応を検討することが重要です。
Appleの製品限定保証やAppleCare+への影響
iPhoneのLCIが赤色に変色している場合、Appleの保証に大きな影響を与える可能性があります。Appleが提供する標準の1年間の製品限定保証では、通常、液体による損傷は保証の対象外とされています。つまり、LCIが反応しているiPhoneの故障(水濡れが原因と判断された場合)については、保証期間内であっても無償修理は受けられず、有償での修理または本体交換となるのが原則です。
AppleCare+に加入している場合は、状況が少し異なります。AppleCare+には、過失や事故による損傷(液体による損傷を含む)に対する修理サービスが、通常よりも安価なサービス料金で受けられる特典が含まれています(通常、保証期間内に2回まで)。そのため、LCIが反応していても、AppleCare+の保証を利用して修理または交換を受けることが可能です。ただし、所定のサービス料金は発生します。
いずれにしても、LCIが赤色であることは、Apple Storeや正規サービスプロバイダでの修理プロセスにおいて、液体損傷があった証拠として扱われます。修理を依頼する際には、正直に状況を伝え、保証適用の可否や修理費用について確認することが重要です。
中古iPhone購入時にLCIチェックが重要な理由
中古のiPhoneを購入する際には、LCIの状態を確認することが非常に重要です。なぜなら、LCIが赤色に変色している中古iPhoneは、見た目が綺麗で正常に動作しているように見えても、内部に液体によるダメージを抱えているリスクがあり、将来的に突然故障する可能性があるからです。
個人間売買(フリマアプリなど)や、保証の少ない中古販売店で購入する場合、出品者や販売店がLCIの状態を正確に説明していないケースも考えられます。購入後に水没歴が発覚しても、返品や保証が受けられない可能性が高いでしょう。また、前述の通り、LCIが反応しているとAppleの保証は基本的に適用されません。
安心して中古iPhoneを使用するためにも、購入前には可能な限りLCIの状態を確認させてもらうか、信頼できる販売店(LCIの状態を明記している、水没反応品は扱わない、十分な保証期間があるなど)を選ぶことを強くお勧めします。特にフリマアプリなど実機を確認できない場合は、出品者にLCIの状態について質問し、写真などで確認させてもらうのが賢明です。少しの手間をかけることで、後々のトラブルを避けることができます。
水没マークが反応した場合の正しい対処法と修理の選択肢
iPhoneを水に濡らしてしまい、LCIの反応も確認できた、あるいは水濡れ後にiPhoneの調子が悪くなってしまった…そんな時、次に取るべき行動は何でしょうか?ダメージを最小限に抑えるためには、やってはいけないNG行動を避け、正しい応急処置を迅速に行うことが重要です。そして最終的には、修理が必要になるかもしれません。このセクションでは、水没・水濡れ時に避けるべき行動と、すぐに行うべき応急処置の手順、さらにその後の選択肢となるApple正規の修理サービスと、非正規修理店の利用について、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら解説します。万が一の事態に備え、適切な対応を知っておきましょう。
水没・水濡れ時に絶対やってはいけないNG行動
iPhoneを水没させてしまったり、濡らしてしまったりした直後は、気が動転してしまいがちですが、焦って誤った対処をすると、かえって状態を悪化させてしまう可能性があります。以下は、絶対にやってはいけない代表的なNG行動です。
- 電源を入れる・操作する: 内部に水分が残っている状態で通電すると、回路がショートして致命的なダメージを与える可能性があります。すぐに電源を切りましょう。
- 充電する: 通電によるショートのリスクが非常に高いため、絶対に充電ケーブルを接続しないでください。
- iPhoneを振る: 水分を外に出そうとして振ると、かえって内部の隅々まで水分を行き渡らせてしまう可能性があります。
- ドライヤーで乾かす(特に温風): 熱風は内部の精密部品にダメージを与える可能性があります。また、風圧で水分を奥に押し込んでしまうこともあります。冷風であっても推奨されません。
- 米びつに入れる: 「米が湿気を吸う」という俗説がありますが、米の粉塵がポート内部などに入り込み、新たなトラブルの原因となる可能性があります。効果も科学的に証明されていません。
これらの行動は避け、次のステップである正しい応急処置を行うことが重要です。
水没後すぐに行うべき応急処置(電源オフ・乾燥)
iPhoneが水没・水濡れしてしまった場合に、ダメージを最小限に抑えるためにすぐに行うべき応急処置は以下の通りです。
- すぐに電源を切る: 最優先事項です。画面が点いている場合は、スリープボタン長押しなどで電源を完全にオフにします。ショートを防ぐことが目的です。
- ケースやアクセサリを外す: ケースと本体の間に水分が溜まっている可能性があるため、すべて取り外します。
- SIMカードを取り出す: SIMトレイを開け、SIMカードを取り出して水分を拭き取ります。トレイを開けておくことで、内部の通気性が多少良くなります。
- 表面の水分を拭き取る: 糸くずの出ない柔らかい布(メガネ拭きなど)で、iPhone全体の水分を優しく拭き取ります。ポート内部の水分は、ティッシュをこより状にして優しく吸い取る程度に留め、奥に押し込まないように注意します。
- 風通しの良い場所で自然乾燥させる: 直射日光を避け、風通しの良い日陰でiPhoneを立てかけるなどして、自然乾燥させます。Lightningポートを下向きにすると、水分が排出されやすい場合があります。最低でも24時間、できれば48時間以上は乾燥させるのが理想です。乾燥剤(シリカゲルなど)と一緒に密閉容器に入れるのも効果的ですが、直接触れないように注意してください。
Apple Storeや正規サービスプロバイダでの修理相談
応急処置を行い、十分に乾燥させた後でもiPhoneの調子がおかしい場合や、LCIが赤色に変色していることが確認できた場合は、Apple StoreまたはApple正規サービスプロバイダ(AASP)に修理を相談するのが最も確実で安心な方法です。
Apple StoreやAASPでは、専門の技術者が診断を行い、適切な修理方法(部品交換、本体交換など)を提案してくれます。LCIが反応している場合は、基本的に有償修理となりますが、AppleCare+に加入していれば、前述の通り割引料金が適用される可能性があります。
修理を依頼するメリットは、純正部品を使用した質の高い修理が受けられること、修理後の保証があること、そして何よりもAppleの公式なサポートであるという安心感です。デメリットとしては、非正規店に比べて修理費用が高額になる場合があること、修理に時間がかかる場合がある(特に本体交換)ことなどが挙げられます。まずはGenius Bar(Apple Store)やAASPに予約を取り、見積もりや修理内容について相談してみましょう。
非正規修理店の利用:メリット・デメリットと注意点
Appleの正規修理以外にも、街中にある「非正規」のiPhone修理店を利用するという選択肢もあります。
非正規修理店のメリットとしては、
- 正規店よりも修理費用が安価な場合が多いこと
- 修理時間が比較的短い(即日対応可能な店舗も多い)こと
- データを初期化せずに修理してくれる場合があること
などが挙げられます。水没修理に対応している店舗も多く、基板洗浄などの専門的な対応を行ってくれる場合もあります。
一方、デメリットとしては、
- 使用される部品が純正品ではない(互換品)可能性があること
- 修理技術者のスキルにばらつきがある可能性があること
- 一度非正規店で修理すると、その後Appleの正規保証や修理サービスが受けられなくなる可能性があること
- 修理後の保証が短い、またはない場合があること
などが挙げられます。
非正規修理店を利用する場合は、事前にインターネットでの評判や口コミをよく調べ、修理実績が豊富で信頼できそうな店舗を選ぶことが重要です。修理内容、費用、使用部品、保証内容などをしっかりと確認し、メリットとデメリットを理解した上で利用を検討しましょう。特にデータ復旧を最優先したい場合などは、選択肢の一つとなり得ます。
まとめ:iPhoneの水没マーク(LCI)を理解して適切な対応を
今回は、iPhoneの「水没マーク」こと液体浸入インジケータ(LCI)について、その基本的な仕組みから、全モデル別の確認場所、チェック時の注意点、LCIが反応した場合の意味と対処法、そして修理の選択肢まで、詳しく解説してきました。
この記事の重要なポイントをおさらいしましょう。
- LCIとは: 液体接触を検知し赤/ピンク色に変色する印。水濡れダメージの可能性を示す。
- 場所はモデルで違う: 新しいモデルはSIMトレイ内、旧モデルはヘッドフォンジャックやポート内など。必ず自分のモデルを確認してから探すこと。
- 確認方法: ライトを使い、白/銀(正常)か赤/ピンク(反応)かを注意深く観察する。
- LCI反応の意味: 液体接触の可能性が高いサイン。保証(AppleCare+除く)対象外になる可能性大。ただし、即故障とは限らない。
- 水濡れ時の対処: すぐに電源オフ、水分除去、自然乾燥が基本。充電、振る、ドライヤーはNG。
- 修理: Apple正規サービス(安心・高品質)と非正規店(安価・迅速な場合も)の選択肢がある。メリット・デメリットを理解して選ぶ。
LCIは、目に見えないiPhone内部の状態を知るための重要な手がかりです。普段から自分のiPhoneのLCIの場所を把握しておくと、いざという時に役立つかもしれません。また、中古でiPhoneを購入する際は、LCIのチェックを怠らないようにしましょう。
もし、あなたのiPhoneが水に濡れてしまい、LCIが反応している、または動作に異常が見られる場合は、この記事で紹介した応急処置を行った上で、できるだけ早く専門家(Apple Store、正規サービスプロバイダ、または信頼できる修理店)に相談することをお勧めします。自己判断で放置したり、誤った対処を続けたりすると、状態が悪化する可能性があります。
この記事が、あなたのiPhoneに関する不安を少しでも解消し、適切な対応をとるための一助となれば幸いです。
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